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2022.05.09
Growth story 2011-2021
浅草橋の地で原点に⽴ち返り、徹底して接客にこだわる[3/4]
・ Speaker 〈話し手〉
大矢 泰一
Eviro株式会社取締役社長
澤 曙憙誕
株式会社アンドロップ CEO/
ブランディングディレクター
・ History 〈ワーカホリック年表〉
澤
現在の浅草橋のお店に移転するときは、どういう基準で探したか改めて振り返ってみましょう。
大矢
1フロアで、接客をするうえでお客様が⼼地よく過ごせる、リラックスできるカフェのようなスペースがある、そういう条件で探しました。
澤
⾚坂や⻁ノ⾨というビジネス街に出店されてきて、この浅草橋は問屋街でビジネスパーソンとはちょっと違うイメージがある。
当初はそういう懸念もありました。
⼀⽅で、WORKAHOLICが必ずしもビジネス街にある必要はない、ふさわしい接客ができる場所ならある程度どこでも⼤丈夫なのではないかという気持ちもありました。
みなさんの接客に対する⾃信っていうんですかね。
大矢
そうですね、ありがとうございます。
接客の⼒を発揮できる空間であればという⾃信をもっています。
⾚坂や⻁ノ⾨もそうでしたけど、お客様が来やすい場所、アクセスの良さというのは重要だと考えていました。
そういう意味では、ここは千葉、埼⽟、神奈川と関東のあらゆる場所からアクセスがいいんですよ。
WORKAHOLICのブランド、スタイルとマッチする物件でもありましたし。
澤
建物⾃体がかっこよかったですからね。
ビルとしての完成度、雰囲気など。
大矢
リノベーションして、それを格好良く、うまく使っていくという、そういった魅⼒もありましたよね。
澤
話は少し戻りますが、WORKAHOLICのお客様って、東京以外、埼⽟、千葉、神奈川からも多いんですか?どれくらいの割合なんですか?
大矢
都内は5、6割くらいありますけど、埼⽟、千葉、神奈川も結構多いです。
澤
そういう意味では、浅草橋は⾮常にいい場所だったということですよね。
大矢
いろんなところからアクセスしやすい、魅⼒的な場所だと思います。
澤
関東全域からのアクセスの良さに加え、最寄りの複数の駅から歩けるし、川沿いというロケーションもいいし、建物⾃体が持つデザイン性も⾼い。
その物件で、今の⾃分たちが、⾚坂のときのスタイルに戻してやったらどうだろう、って⼤⽮さんは相談してくれましたよね。
大矢
そうですね。
⾚坂のときにやってきたことや、その良さをレベルアップさせて、ここでやってみよう、と。
実際、⻁ノ⾨とは⼈通りが⽐べものにならないけど、お客様の数はどんどん伸びているんですよね。
その理由は、お客様のクチコミなんです。
広告宣伝を打ったり、⼈⽬についたりすることよりも、ご来店されたお客様に感動してもらえる接客を⼼がける。
そうして感動していただいたお客様は、⾃分の親しい⼈、⼤切な⼈に伝えてくださるんです。
そういったところが、何よりも⼤切だと強く思っていたので、とにかくここでは、⾃分たちの接客のレベルを⼀段も⼆段も⾼めていく。
それが浅草橋の始まりです。
澤
本当に、⾚坂と⻁ノ⾨の集⼤成ですよね、今はどれくらい予約が取れないんですか?
大矢
来客数は、もう格段に増えていて。
ありがたいことに、予約はかなり先までお待ちいただかないといけません。
ただ、最初は予約制でもなかったので、予約数も多くなかったんです。
⾃分でふらっと来て、⾒て、触れて、聞きたいときに聞くというお客様が中⼼でした。
予約される⽅というのは、深い悩みを抱え、接客による解決を求める⽅に限られていたんです。
それが、クチコミで広がり、ご予約されるお客様がどんどん増えていきました。
来店客数や売り上げは上がるけれども、⼀⼈のコンシェルジュができることにも限界があるので、結果として広く浅い接客になってしまうことも増えて、僕らが⽬指すサービスの質に届かない時期があったんです。
そうした状況のなかで昨年……
澤
コロナですね。
大矢
そうです。
コロナが起こったとき、最初どのお店も閉めましたよね。
でも、僕らは開けました。
コロナによって在宅ワークはものすごい勢いで普及しましたが、実際に⾃宅で作業してみた結果そのための場所づくりに困っている⼈、悩んでいる⼈が爆発的に増えたんです。
医療関係者の⽅々と同じように、そうした⼈たちを助けたい、お客様を助けるヒーローになりたい、という気持ちからでした。
今よりもコロナのリスクが恐れられていた時期でしたが、最終的に、いつもお客様の話を聞いていたコンシェルジュたちの総意で決めました。
ただ、三密というのは当初から強く⾔われていたので、来店は1時間に2名までという完全予約制に変更したんです。
当然、お客様の数は減り、売上も下がりましたが、接客の質、お客様の満⾜度ともに向上しました。
澤
思いがけず、WORKAHOLICの原点である接客に⽴ち返ることができたわけですね。
大矢
そうですね。
僕たちはショップ店員ではなく、チェアコンシェルジュなんだと。
ワークチェアの専⾨的な知識を持っていることだけがチェアコンシェルジュではなく、お客様にしっかりと向き合い、現状を改善するためのツールとしてワークチェアを選んでいただく、場合によっては購⼊しなくても解決するのならそれでもいいのですが、そういう存在こそがチェアコンシェルジュだと考えるように今ではなったんです。
これは完全予約制だからできたことだと思います。
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